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はじめに
一般的にマネジメント(management)という言葉は「管理.処理.経営」(広辞苑)と定義されている.マネジメントには経営管理を含めた広義の意味と,臨床で用いられている評価アセスメントや医療ケアの経過プロセス(process)の運用・実施などのためのシステムという狭義の意味がある.これらの広義・狭義の意味の区分けは明確にされていないが,この言葉を用いる時は,その背景を理解することが重要である.一方,PFドラッカーの「マネジメント(management)」が経済学の名著として有名であり,経済学,経営学の教科書として,昨今その内容が見直されつつある.岩崎夏海著の「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」がベストセラーとなったことは時代の趨勢であろう.
近年,少子高齢化の進行に伴い,リハビリテーション医学・医療はその重要性が注目され,包括医療の流れのなかで大切な役割と使命を担っている.リハビリテーション医療を中心とした現場の連携が重視されていることは,地域連携パス加算などの診療報酬改定からみてもわかる.リハビリテーションの現場で均整のとれたマネジメントがなされているかどうかが地域連携の質を決定する重要なポイントであるが,現実には課題が山積している.
筆者は日本リハビリテーション病院・施設協会の機能評価委員会の役員であり,同委員会が作成したリハビリテーション機能評価表の改訂とそれらを用いたアンケート調査を実施し,その内容を報告してきた.本稿では,同評価表Version6.0の内容に沿って,リハビリテーション医療の質の評価とその流れ,質の維持・確保と「マネジメント」との関連について多面的に検討したい.
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