Japanese
English
特集 体幹機能障害とリハビリテーション
脊髄損傷と体幹機能障害
Function and Disability of Trunk with Spinal Cord Injury.
井手 睦
1
,
緒方 甫
1
Makoto Ide
1
,
Hajime Ogata
1
1産業医科大学リハビリテーション医学教室
1University of Occupational and Environmental Health
キーワード:
脊髄損傷
,
体幹機能
Keyword:
脊髄損傷
,
体幹機能
pp.381-386
発行日 1993年5月10日
Published Date 1993/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107355
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はじめに
脊髄損傷患者の運動機能については,四肢の運動障害に眼が向けられがちである.しかし脊髄損傷患者のADLに注目し,彼ら自身の訴えを聞くと体幹の機能障害に起因するデメリットが少なからずある.脊髄損傷者達が自分の身体をどのようにとらえているか,すなわちボディ・イメージは麻痺のレベルや程度により微妙に異なる.麻痺した部位の喪失感を訴える者がいれば,その一方で知覚を失った部位の存在をしっかりと認識している者もいるわけである.ボディ・イメージがトランスファーをはじめとする移動能力ひいてはADLにどのように結びついているかは興味のあるところだが,残念ながらこれに関する知見を筆者は得ていない.
ボディ・イメージの概念はpsychologicalな要素が強いが,これに大きく影響する体幹の機能はきわめてphysicalな問題である.四肢の機能に比べて,dynamicにはとらえにくい体幹の機能を可能な限り平易に検証し,脊髄損傷者との関わりを考えてみる.
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