Japanese
English
特集 脳卒中の機能障害
体幹機能障害
Trunk impairment in patients with hemiparesis.
藤原 俊之
1
,
岡島 康友
2
,
木村 彰男
3
Toshiyuki Fujiwara
1
,
Yasutomo Okajima
2
,
Akio Kimura
3
1埼玉県総合リハビリテーションセンターリハビリテーション科
2杏林大学医学部リハビリテーション医学教室
3慶應義塾大学月が瀬リハビリテーションセンター
1Department of Rehabilitation Medicine, Saitama General Rehabilitation Center
2Department of Rehabilitation Medicine, Kyorin University
3Keio University Tsukigase Rahabilitation Center
キーワード:
体幹機能
,
脳卒中
,
片麻痺
Keyword:
体幹機能
,
脳卒中
,
片麻痺
pp.1089-1094
発行日 2001年12月10日
Published Date 2001/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109636
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はじめに
体幹は,四肢の随意運動時の身体近位部の固定,全身の抗重力位での支持,安定した座位の獲得のための重要な条件と考えられており,片麻痺患者のリハビリテーションにおいてもその重要性は広く認識されている1,2).特に,起居動作ならびに日常生活動作(ADL)の獲得のために,安定した座位の獲得,および体幹筋の再教育は重要である3-5).しかしながら,体幹機能の障害を客観的に評価することは困難であり,そのため,片麻痺患者の機能障害としての体幹機能障害の重要性は広く認識されているにもかかわらず,片麻痺患者の体幹機能障害を評価した報告は少なく,多くは,座位6)やバランス7),起居動作5)を中心とした能力低下や筋力8-11)の評価で代用しているのが現状である.
また,体幹機能の障害は上下肢の機能障害と比較すると障害の程度は比較的良好な例が多いが,体幹機能の回復が不良な例ではADLの障害が重度であり,また必ずしも上下肢の回復と一致しない場合がある12).体幹機能の回復機序に関しては,体幹筋の両側半球支配13-15)の関与が示唆されているが,片麻痺患者の体幹機能障害における非損傷半球の関与に関して検討した報告は少ない.
よって,片麻痺患者の体幹機能障害に関しては,その病態,機序,評価に関しても未確立なのが現状である.本稿では,片麻痺患者における体幹機能障害を表1に示した評価手段ごとに紹介し,今後の研究の一助としたい.
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