Japanese
English
症例報告
ポリオ後遅発性進行性筋萎縮症に対する装具療法の経験
Orthotic Approaches for Post-Polio Myelitic Muscular Atrophy: A Case Report.
奥山 富士子
1,2
,
奥山 央
1
,
中角 祐治
1
,
渡辺 好博
1
,
片桐 忠
3
Fujiko Okuyama
1,2
,
Hisa Okuyama
1
,
Yuji Nakazumi
1
,
Yoshihiro Watanabe
1
,
Tadashi Katagiri
3
1山形大学医学部整形外科
2現:寒河江市立病院理学診療科
3山形大学医学部第3内科
1Department of Orthopaedics, Yamagata University School of Medicine
2The 3rd Department of Internal Medicine, Yamagata University School of Medicine
キーワード:
ポリオ後遅発性進行性筋萎縮症
,
装具療法
Keyword:
ポリオ後遅発性進行性筋萎縮症
,
装具療法
pp.609-612
発行日 1992年7月10日
Published Date 1992/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107115
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はじめに
麻痺型の急性灰白髄炎(以下ポリオ)感染から回復した患者に30年以上たってから,極度の疲労感,筋力低下,耐寒性の低下,関節痛を始めとする筋骨格系の問題など,新たな予測しなかった障害が出てきている1~5)との報告が欧米を中心に相次ぎ,このような病態はpost polio sequlaeと呼ばれている.なかでも緩徐進行性の筋力低下と筋萎縮はpost-polio myelitic muscular atrophy(ポリオ後遅発性進行性筋萎縮症,以下PPMA)と呼ばれ,症例の増加および他の運動ニューロン疾患との異同をめぐって注目されるようになった.
PPMAについては,ポリオ感染後の残存前角細胞の減少・老齢化説,免疫系の異常説,ポリオの持続感染説などさまざまな病因論が検討されている.その一方で,ポリオ侵襲をまぬがれた非罹患肢の筋への過剰負荷がPPMAの誘因となっていることが明らかになりつつある.
今回,我々は2名のPPMA患者に対し,歩行障害を改善する目的で装具療法を行い,良好な経過を得ているので報告する.
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