治療のポイント
進行性筋萎縮症の生活指導
佐藤 哲
1
1国立仙台病院・内科
pp.1813-1814
発行日 1965年12月10日
Published Date 1965/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201097
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病型の差異が予後を決める
進行性筋ジストロフィーは,四肢躯幹の横紋筋をおかす進行性遺伝性疾患としてあまねく知られているが,現在のところ適確な治療法がないため,診療の場においては,診断の確立後は種々な治療法を経験的に行なうほか機能保持,心理的,社会的支持によつて患者がつねにより豊かな人生がおくれるよう,配慮しなければならない。そのためには,本症の予後を左右する病型間の差異に着目する必要がある。わが国で一般に行なわれているWaltonの分類に従えば,もつとも多いものはDuchenne型で,主として四肢ことに腰帯,下肢をおかし,腓腹筋その他の仮性肥大(末期には消失)が特徴となるが,いずれにしても幼児期に発病,経過は迅速,早晩肩甲帯,上肢におよび,四肢躯幹の運動機能を低下させる。Facioscapulohumeral型は,思春期に発病,肩甲帯,顔面筋から始まり,経過は緩慢で,顔面では表情が弱く,閉眼困難,口唇突出,口笛をふくことが困難,などの障害がめだつが,四肢筋萎縮は徐々で長年月を耐え,その間lordosis,scoliosisなど,躯幹の変形もめだつてくる。
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