筋組織病理図譜・2
進行性脊髄性筋萎縮症
桜井 実
1
,
児玉 茂美
2
1東北大整形外科
2国立鳴子病院整形外科
pp.114
発行日 1972年2月25日
Published Date 1972/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904650
- 有料閲覧
- 文献概要
知覚異常を全く伴わない筋力低下,しかもそれが進行性である場合は脊髄の系統疾患と進行性筋ディストロフィー(PMD)などが大きな鑑別のグループとして考えられるが,筋の生検により診断が容易になる.
この症例は33歳の女性で,約1年半前から知覚障害は全くないが両上肢の挙上が困難になり,第1図のように肩甲帯の筋萎縮が著明で肘の屈曲も不能となつて来た.症状は一見,facioscapulohumeral型のPMDに似ているが,CPK 30,LDH 250,GOT 8,GPT 2単位でいずれも筋肉代謝に関与する血清の酵素値は正常範囲である.EMGで上肢の障害筋から幅10msecを越えるgiant spikeが出現する.
Copyright © 1972, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.