医学と看護3月のテーマ
進行性筋萎縮症
古川 哲雄
1
1国立療養所下志津病院
pp.49-52
発行日 1968年3月1日
Published Date 1968/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661913912
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はじめに
進行性筋萎縮症は最近になって医学的にも社会的にも問題とされることが多くなってきた。本症は決して数多い疾患ではなく,また最近その患者が増加してきているわけでもないが,主として感染症が予防ないし治療できるようになった結果,本症の存在があらためて社会的にクローズアップされてきたといえよう。
ところで進行性筋萎縮症とは1疾患を意味するのではなく,その中に多くの疾患を含む疾患群の総称である。進行性筋萎縮症に属する疾患は,その発生原因から大きく分けると,筋肉自体に変化が起こって筋萎縮が生じてくる筋原性のものと,神経に異常が起こってその結果二次的に筋萎縮が生じてくる神経原性の筋萎縮の二つに大別される。前者の代表は進行性筋ジストロフィー症であり,後者に属するものには筋萎縮性側索硬化症がある。本稿においては進行性筋萎縮症の中で最も数が多く代表的な進行性筋ジストロフィー症(進行性筋異栄養症ともいわれる)を中心に述べ,その他の疾患については簡単にふれるにとどめたい。
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