Japanese
English
短報
健常男子196名における歩行周期の検討―歩行分析システムSelspot Ⅱを用いて
Investigation of a Gait Cycle in 196 Normal Boys Using Selspot Ⅱ
藤島 恵喜蔵
1
,
岡部 稔
1
,
野呂 浩史
1
,
南 良二
1
Ekizoh Fujishima
1
,
Minoru Okabe
1
,
Hiroshi Noro
1
,
Ryoji Minami
1
1国立療養所八雲病院理学療法部
1Division of Physical Therapy, The National Sanatorium Yakumo Hospital
キーワード:
歩行
,
歩行周期
,
小児
,
Selspot Ⅱ
Keyword:
歩行
,
歩行周期
,
小児
,
Selspot Ⅱ
pp.1093-1095
発行日 1991年11月10日
Published Date 1991/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106949
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はじめに
正常歩行の研究はこれまでに主として筋電図,床反力計,ムービーなどを用いて行われてきだ1).しかし,その多くは成人を対象としたものであり,小児の発達期歩行に視点を当てた研究は非常に少ない.しかも,この領域は依然として統一見解が得られていない分野ともいえよう.
我々はこれまでに2歳から12歳までの48人の健常男子を対象として歩行周期の検討を行ってきた.その結果,フットスイッチによるデータから1歩行周期の立脚期割合と遊脚期割合が年齢を問わず一定であることを明らかにした2).また,フットスイッチと歩行分析システムであるSelspot Ⅱを組み合わせた研究を行った結果,真の踵接地は膝関節の最大伸展位よりも遅れ,真の足尖離地は足関節の最大底屈点よりも早まることを示した.しかし,Selspot Ⅱを用いる上で膝関節の最大伸展位を踵接地に,また足関節の最大底屈位を足尖離地に定めても,得られた歩行周期データはフットスイッチ単独によるデータと強い相関を示すことが分かった.
これらの結果から,我々は厳密な定量評価を必要としない場合には,Selspot Ⅱ単独による歩行周期の時間因子分析を行っても十分な結果が得られるとの結論に至った3).
今回の研究では,以上の結果を受けてSelspot Ⅱ単独による歩行周期の検討を行った.
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