巻頭言
総合病院とリハビリテーション
木佐 俊郎
1
1島根県立中央病院小児科兼理学診療科
pp.859
発行日 1991年9月10日
Published Date 1991/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106894
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リハビリテーション医療の推進にはどの職場においても困難がつきまとう.総合病院においても例外ではない.さらにその総合病院が第三次救命救急センターを設けていればなおさらである.集約的に問題が表れやすいと思う.救急車により,脳卒中,脊損,心筋梗塞,そして溺水などと,次々にいろいろなリハビリテーションをすぐに要求されてくる患者が搬送されてくる.急性期リハビリテーションの最前線といえよう.したがって,相応のリハビリテーション・スタッフ陣容とそれに応じたシステムが必要とされる.
しかし,現実には,患者の流れは必ずしも症候にあった流れになっていない.このような流れの悪さは,多くの救急センターを抱える総合病院の直面している問題であろう.さらに困ったことは,病院を退院しても,地域のリハビリテーション資源の不足とシステムのまずしさから,障害が退院時よりさらに低下してしまう現実がある.島根県は全国一の高齢化県である.同じような条件の地方都市は多いであろう.このような問題の解決のために,今後,病院は地域での救急から慢性期リハビリテーションのシステムに対して,よりダイナミックな対応が求められてこよう.
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