第5回 リハビリテーション科専門医会 学術集会/横浜 《パネルディスカッション》リハビリテーションにおけるシステム連携―座長/近藤 和泉・菊地 尚久
脊髄損傷リハビリテーションにおける回復期リハビリテーション病棟と急性期病院との連携―専門センター・労災病院をもたない地域の連携―
永田 智子
1
,
市本 裕康
2
,
齊鹿 稔
2
,
木佐 俊郎
3
,
酒井 康生
3
1島根県立中央病院リハビリテーション科
2島根県立中央病院整形外科
3出雲市民リハビリテーション病院リハビリテーション科
pp.399-403
発行日 2011年6月18日
Published Date 2011/6/18
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はじめに
高齢化社会に向かい,骨傷を伴わない不全四肢麻痺の増加が指摘されている.急性期病院の脊髄損傷リハビリテーション(以下,リハ)では,労災事故や交通事故による重篤な四肢麻痺・対麻痺に専門的・集約的リハを保証する一方,高齢者の不全四肢麻痺患者への対応も求められる.長期入院に伴う患者および家族の負担軽減や退院後の在宅支援体制を確保するために,症例によっては地域完結型のリハが望ましいこともある.
島根県は労災病院やいわゆる脊髄損傷専門センターをもたない.当院は,島根県中部で圏域唯一の三次救命救急センターをもつ基幹的病院で,圏域内救急搬送の約80%を受け入れている1).1965年に労災福祉事業団の委託を受けた労災リハ病棟60床を開設,これを1993年にリハ科専門医常駐のリハ病棟へ改変,さらに2002~2008年に回復期リハ病棟(45床)とし,当地域の脊髄損傷リハの入口で一定の役割を果たしてきた.現在,リハ病棟は圏域内の他病院へ完全移行し連携をもつ.
本稿では,上記のような流れをもつ当院における外傷性脊髄損傷発生の特徴とリハ連携への取り組みを述べ,急性期病院からみた脊髄損傷リハのシステム連携について回復期リハ病棟との連携を中心に報告する.
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