巻頭言
リハビリテーション専任医になって思うこと
木佐 俊郎
1
1島根県立中央病院
pp.103
発行日 1997年2月10日
Published Date 1997/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108297
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当院では5年前から院長以下全職員の力で「急性期リハビリテーションを!」,「総合リハビリテーションを!」の掛け声のもと,旧システムから新リハビリテーション・システム構築へ向けて努力を続けている.途中経過については既に本誌で報告したとおりである.当時は当理学診療科は中央サービス部門であったが,現在では病床を持つ外来診療科になった.リハビリテーションを依頼してくる診療科は全科にわたるようになり,救命救急病棟からの依頼も増えてきた,疾病治療中からのベッドサイド依頼も著増した.
限られた資源でニードに応えリハビリテーション効果を上げるには,合理化を行って余力を産み,そこに向けていくしかない.このため外来で物理療法に漫然と通っていた患者さんに対して適応を再検討し,適応例は最寄りの開業医へ紹介した.また,リハビリテーション・カンファレンスを効率化して,プラトーに達した症例を終了できるシステムを確立した.プラトー症例の整理システムがなかったため回復期リハビリテーションに力が割けず,毎日の訓練ができない「間引き運動」や,毎日訓練してもらっていても「マンツーマン不能」といった事態になることは避けられるようになった.
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