Japanese
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解説
義肢装具等の支給体系(その1)
The Service System of Prostheses, Orthoses and Self-help Devices.
今田 拓
1
Hiraku Imada
1
1宮城県拓杏園
1Miyagiken-Takkyoen.
キーワード:
補装具支給
,
社会保障
Keyword:
補装具支給
,
社会保障
pp.1021-1027
発行日 1987年11月10日
Published Date 1987/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106670
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Ⅰ.義肢装具等の区分や名称の背景
最近,身体障害者福祉制度における補装具の交付基準の大幅な改定や,義肢装具士法の制定等,義肢装具等の支給体系に関する新しい動向が注目されている.これらの全体的状況を知るためには,各制度を横観した枠組を作ってみる必要がある.2回にわたるシリーズにより支給体系全般にわたる制度の解説を行うことになったが,関係者のお役に立てば幸いである.
体内で使用される人工臓器の発展が目覚ましい一方で,体外に使用して治療や機能の補填に供される義肢,装具,自助具等医療・福祉機器の発達も著しいものがあり,新しい機器が出現した場合,それが既存の社会保障制度の中に定位しにくいことがしばしば起こるようになった.それはこれらの機器が体内,体外を問わず,人間が生きて行く活動に新たな便益を提供し,その範囲も日常生活活動から住宅環境,さらに社会活動という広い領域にまで,連続した分布を持つようになってきたためである.これら機器の呼称も福祉機器,リハビリテーション機器,医療福祉機器等とさまざまであり,明確な区分は定まっていない.また,その背景に機器の流通機構,支給サービス面における技術的諸問題,認可問題や関係者の身分と業務独占の問題等があって,これらの全体像はまことに把握しにくい状況にある.技術的問題ひとつを眺めても,直接身体に装用するものについては,より医学的要素が指摘されることが多く,体から離れて使用されるものについては,より工学的要素が問題となるが,いずれにしても人間と機械の接点(interface)であるだけに制度的にも常に新しい対応が望まれる.
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