Japanese
English
症例報告
アテトーゼ型脳性麻痺2例の足による日常生活動作の検討
Activities of Daily Living by Utilizing Lower Limbs: Case Report of Two Patients with Athetotic Type Cerebral Palsy.
水落 和也
1,2
,
小池 純子
1
,
佐鹿 博信
1
,
大川 嗣雄
1
Kazuya Mizuochi
1,2
,
Junko Koike
1
,
Hironobu Sashika
1
,
Tsugio Okawa
1
1横浜市立大学リハビリテーション科
2現:横浜市立港湾病院リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation Medicine, Yokohama City University, School of Medicine.
2Department of Rehabilitation Medicine, Yokohama City Kowan Hospital.
キーワード:
日常生活動作
Keyword:
日常生活動作
pp.1017-1020
発行日 1987年11月10日
Published Date 1987/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106669
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はじめに
足による日常生活動作(以下ADLと略す)は,先天性両上肢欠損やフォコメリアにおいて一般にもよく知られている.Schmid1)は両上肢欠損児では足の機能が発達は遅れるものの正常の手の機能と同様に発達すると報告している.また,我が国でも大漉2)は先天性両上肢欠損者のALDの方法について詳細に記載し,足によってADLのみならず,あらゆる社会的活動が可能であることを示している.
これに対し,アテトーゼ型脳性麻痺においても足によるADLを行っている症例をみることがあるが,この場合は,多少なりとも下肢に障害が存在し,上肢は存在していても使うことのできない,いわゆる廃用手の状態であることから,足の機能の発達,ADLの方法などは両上肢欠損と明らかに異なるものと思われる.また,足によるADLを可能ならしめる何らかの身体的特徴も存在するものと思われる.
アテトーゼ型脳性麻痺例の足によるADLについては,寺山ら3)が成人例における訓練法について報告し,江口ら4)が食事動作の一例として報告しているが,今回我々は,我々の経験した2例について足によるADLを分析し,下肢を使用するに至る経過や,下肢の使用を可能ならしめている身体的特徴などについて検討したので報告する.
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