学会報告
第6回東海リハビリテーション懇話会―昭和62年4月24日,於:名大医学部鶴友会館
室賀 辰夫
1
,
猪田 邦雄
1
1名大医療技術短期大学部作業療法学科
pp.967
発行日 1987年10月10日
Published Date 1987/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106656
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1.脊髄損傷の治療における評価
中部労災病院リハ診療科 中島 昭夫
評価とは,ある状況の客観的な描写と,その結果に対する価値判断と考えられる.従って評価法に要求されることは,目的性,系統性,客観性,普遍性,定量性である.しかし現実に用いられている評価法は,必ずしもこれらのことをみたしているとは言えない.そこで評価を行う際には,その対象と目的にいかに適合した評価体系を選択するかが問題となる.
脊髄損傷のリハにおける評価体系は,比較的整備され普遍的ではあるが,まだ多くの問題点が残されている.例えば脊髄そのものに対する評価は未だ完全なものがなく,脊椎に対する評価は種々異論のあるところであり,心理障害に対する評価はまだ一般的に行われているとは言いがたい.又それぞれの障害に対する評価も,急性期と慢性期ではその目的が異なり,その為に異なった評価法が要求される場合もある.そこで脊髄損傷に伴う種々の障害の評価法を,急性期と慢性期に別けて,それぞれの評価の目的と,それに適した評価法について概説した.
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