学会報告
第15回東海リハビリテーション懇話会―1991年10月4日,於:名古屋大学医学部鶴友会館
加藤 敏江
1
,
室賀 辰夫
2
,
猪田 邦雄
3
1愛知県総合保健センター聴力音声言語診断部
2名古屋大学医療技術短期大学部作業療法学科
3名古屋大学医療技術短期大学部理学療法学科
pp.549
発行日 1992年6月10日
Published Date 1992/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107104
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1.構音障害
構音(発音)障害とは,音声言語の産生運動が正確に行えずコミュニケーションに支障をきたす場合をいう.言語の伝達過程は,まず末端の感覚器官である聴覚器官で音波を受信し,神経インパルスに変換して大脳まで伝達する.そして,大脳の思考過程を経て,構音運動を大脳レベルで企画し,実際の運動を実行する.この伝達過程のどの部分が障害を受けても構音障害をきたす可能性があり,障害部位によって構音障害の種類が異なり種々の症状を呈する.
構音障害の種類は,神経学的異常による麻痺性構音障害・失調性構音障害・脳性麻痺に伴う構音障害など,解剖学的異常による口蓋裂・舌切除などに伴う構音障害,また聴覚障害に伴う構音障害,器質的障害がなく原因が特定できない機能的構音障害,その他,発達障害に伴う構音の発達の遅れなどに分類できる.
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