学会報告
第9回東海リハビリテーション懇話会―昭和63年9月30日,於:名古屋大学医学部鶴友会館
室賀 辰夫
1
,
猪田 邦雄
1
1名古屋大学医療技術短期大学部作業療法学科
pp.723
発行日 1989年9月10日
Published Date 1989/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106129
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1.慢性関節リウマチの四肢変形とその病態
愛知医科大学整形外科
小野田 卓男
慢性関節リウマチ(RA)は四肢の滑膜関節をおかす疾患であり,進行したstageでは各関節に特有な骨・関節の変形をおこす.RA四肢の機能障害を論ずるには,その変形のメカニズムならびに変形の問題点を理解することが重要である.各関節について概要を示すと,手指はスワンネック,ボタンホールに代表される変形を呈するが,重要なのは母指の変形である.肘関節は比較的末期まで屈曲角度が保たれるのが特徴である.肩関節はあまり顧みられることが少ないが,実際の上肢ADLには肘関節の動きと関連があり重要な関節である.足趾の変形は前足部の三角状扁平足と後足部の外反扁平足に分けられる.特に後足部の変形は膝の外反変形と関連している.
膝関節は外反,屈曲,外旋,亜脱臼を呈するが,日本人のRAでは内反膝も多くみられる.股関節は大腿骨頭が臼蓋側に深く入りこむprotrusio acetabuliがRAでは特徴である.
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