Japanese
English
研究と報告
脊髄損傷患者の外肛門括約筋筋電図
Electromyographical Study of the Anal External Sphincter in Spinal Cord Injured Patients.
出江 紳一
1
,
永田 雅章
1
,
花山 耕三
1
,
柴崎 啓一
2
,
大谷 清
2
,
千野 直一
3
,
尾河 昌子
3
Shin-ichi Izumi
1
,
Masaaki Nagata
1
,
Kouzou Hanayama
1
,
Keiichi Shibasaki
2
,
Kiyoshi Ootani
2
,
Naoichi Chino
3
,
Masako Ogawa
3
1国立療養所村山病院リハビリテーション科
2国立療養所村山病院整形外科
3慶応大学医学部リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation Medicine, National Maruyama Hospital.
2Department of Orthopedic Surgery, National Maruyama Hospital.
3Department of Rehabilitation Medicine, Keio University School of Medicine.
キーワード:
脊髄損傷
,
外肛門括約筋
,
筋電図
Keyword:
脊髄損傷
,
外肛門括約筋
,
筋電図
pp.939-943
発行日 1987年10月10日
Published Date 1987/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106650
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はじめに
仙髄は排尿,排便,性機能の下位中枢であり,脊髄損傷患者ではその機能が保たれるかどうかが大きな意味を持つ.また球海綿体反射や肛門反射などの仙髄レベルの反射は脊髄の損傷部位の診断上も重要であり,脊髄ショックからの回復の指標として用いられる.
一方,外肛門括約筋(以上,括約筋と略す)は一般に第2-4仙髄筋から出る陰部神経の支配を受けるとされているが,針筋電図上の波形に関する記述は,脊髄前角細胞以下の運動単位をおかす疾患についてなされているものが多く,上位運動ニューロンの障害では正常波形を呈するとされている1,3,6,11).
そこで今回われわれは,括約筋の電気生理学的性質と仙髄機能の指標としての意義を検討することを目的として,外傷性脊髄損傷患者に対し,急性期から慢性期にかけて括約筋と下肢筋の筋電図検査を行った.
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