巻頭言
国民医療総合対策本部中間報告と早期リハビリテーション
二木 立
1
1日本福祉大学・社会福祉学部
pp.899
発行日 1987年10月10日
Published Date 1987/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106643
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厚生省が6月に発表した「国民医療総合対策本部中間報告」(以下「中間報告」)は,「医療制度全体にわたる改革」を打ち出したものとして,各方面の注目を集めている.
この「中間報告」の総合的評価は別にして,リハビリテーション医学の立場から特記すべき事は,脳卒中患者に対する「発症後の早期リハビリテーション」が,「老人医療の見直し」「長期入院の是正」の“切札”として「重視」されていることである.「中間報告」では,老人医療費増大の主因が入院医療費の増大=長期入院のためであるとされ,「老人の長期入院の約4割を占める脳血管障害患者」の「早期退院,家庭復帰を推進していくため,リハビリテーション・マニュアルを作成」することが提唱されている.更に,診療報酬面でも「発症後の早期リハビリテーション,回復期の集中的なリハビリテーションを重点的に評価する」ことがうたわれている.
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