臨床経験
脊髄損傷患者の排尿状態と肛門括約筋筋電図
木村 彰男
1
,
千野 直一
1
,
野町 昭三郎
2
,
浅葉 義一
3
Akio KIMURA
1
1慶応義塾大学医学部リハビリテーション・センター
2国立療養所村山病院
3国立塩原温泉病院
pp.1003-1007
発行日 1977年10月25日
Published Date 1977/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905606
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いとぐち
脊髄損傷患者においては,排尿障害はほぼ必発の症状であるといつても過言ではなく,時には尿路感染により死を招くこともあり,排尿状態の把握およびコントロールが,患者の治療・リハビリテーションの上で極めて重要な位置を占めることになる.ところで膀胱は,第1図に示すような神経支配を受けているが,このうちS2〜S4の髄節は同時に肛門括約筋も支配している.それ故,肛門括約筋の状態は,ある程度排尿機能を反映すると思われる.今回我々は,脊髄損傷患者の自排尿機能を明らかにすべく,肛門括約筋の筋電図所見と,患者の自排尿状態につき,その相関関係を調べ検討したので,若干の考察を加えて報告する.
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