Japanese
English
特集 子供のリハビリテーション
Ⅲ.子供のリハビリテーション(脳性麻痺を除く)
二分脊椎症児の排尿障害とそのコントロール
Neuropathic Bladder Dysfunction and Its Clinical Control in Children with Spina Bifida.
宮崎 一興
1
Kazuoki Miyazaki
1
1神奈川リハビリテーション病院
1Kanagawa Rehabilitation Hospital.
キーワード:
二分脊椎
,
神経因性膀胱
,
自己間歇導尿
Keyword:
二分脊椎
,
神経因性膀胱
,
自己間歇導尿
pp.779-782
発行日 1987年9月10日
Published Date 1987/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106611
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はじめに
二分脊椎症は顕在性と潜在性の二大別されるが,前者の大部分の者に様々の程度の膀胱麻痺が合併し,後者でも小児の約30%,成人でも約10%の者に夜尿,昼間尿失禁,膀胱炎などの神経因性膀胱が合併するといわれる1,3,4).
欧米諸国でわが国の10倍も二分脊椎の発生率が高いので,可成り以前からその尿路管理の重要性が叫ばれて,様々の手術法や保存的治療が試行されて来たが,その中には長期観察の結果が思わしくなく,既に行われなくなった治療法も少なくない5).わが国では古くは本症の発生は少ないとされ,余り治療界の関心を呼ばなかったが,20年位前から長期生存者が増加すると共に累積患者が増加するに従って,その尿路管理の問題点が認識されるようになった.欧米の治療の変遷の激しさに比べわが国の治療方針の変化は穏やかであるが,それでも様々の試行錯誤を繰り返しながら,現在では尿路変更は成るべく避け,各種の保存療法をうまく使い分けるというのが尿路管理の主流となっている1~4,10).
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