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特集 肢体不自由児教育
普通学級における二分脊椎児
Children with Spina Bifida in Ordinary School.
陣内 一保
1
Kazuho Jin-nai
1
1神奈川県立こども医療センターリハビリテーション科
1Department of Rehabilitation, Kanagawa Children's Medical Center.
キーワード:
二分脊椎
,
普通学級
,
障害児教育
Keyword:
二分脊椎
,
普通学級
,
障害児教育
pp.513-516
発行日 1982年5月10日
Published Date 1982/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104751
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はじめに
公衆衛生の普及,医学の進歩などによって生じた疾病構造の変化は,リハビリテーションの対象となる障害にも影響を及ぼしている.小児のリハビリテーションにおいては,ポリオの減少,脳性麻痺の相対的増加がそれを象徴している.
二分脊椎に関しては,脊髄髄膜瘤ならびに水頭症に対する脳外科的処置,新生児管理,化学療法の進歩などにより,生存例が増加しつつあり,医学のみならず教育の面でも関心が高まっている.
新生児期に脊髄髄膜瘤の処置を終えた二分脊椎児は,なお多彩な障害像を呈する.すなわち①水頭症,②運動麻痺,③知覚麻痺,④膀胱直腸障害であり,二分脊椎の4大トラブルとよばれる.しかし,水頭症が高度でない限り,上肢機能は正常であり,平均的知能を保ち,一般的には脳性麻痺より高いリハビリテーションポテンシァルを有している.
われわれは,48年12月の時点で学齢に達していた二分脊椎児37名を対象に,就学状況を調査し,本症児にとっては,適切な設備と関係者の理解のもとに,普通校を教育の場とすることが望ましいことを報告した1)(第11回日本リハビリテーション医学会).その後7年を経過し,さらに就学児が増し,「全員就学」など障害児をとり巻く情勢も変化しつつある中で,前回の報告の趣旨にそってすすめてきたわれわれの活動の反省を含めて,あらためて本症児の教育についてふりかえってみたい.なお,二分脊椎以外の小児パラブレジアも,同じような障害像を呈し,教育上は共通の問題を有するので対象に加えた.
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