特集 子供のリハビリテーション
Ⅴ.子供のリハビリテーション・メモ
特発性乳児ビタミンK欠乏症―母乳栄養と頭蓋内出血
長尾 大
1
1神奈川県立こども医療センター小児科・血液科
pp.742
発行日 1987年9月10日
Published Date 1987/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106602
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新生児・乳児期のビタミンK欠乏症は,表1の様に分類される.新生児メレナは古くから有名であるが,生後1週以内の出来事であり重篤になることは少ない.一方,乳児ビタミンK欠乏症は比較的新しい概念であり,ビタミンK欠乏の誘因が明らかでない特発性乳児ビタミンK欠乏症に分けられる.ビタミンKは脂溶性ビタミンであり,脂肪の吸収に必要な胆汁排泄の低下する先天性胆道閉鎖,総胆管拡張症などでは欠乏しうる.緑葉野菜などに由来する食物のビタミンK1のほかに,腸内細菌叢の合成するビタミンK2も利用されうるが,腸内細菌叢を変化させたり,吸収を低下させる長期抗生物質投与,長期下痢などでもビタミンKは欠乏しうる.続発性とはこの様な誘因を持つ場合を指している.
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