特集 子供のリハビリテーション
Ⅴ.子供のリハビリテーション・メモ
障害児予防からみた遺伝相談
黒木 良和
1
1神奈川県立こども医療センター小児科・遺伝科
pp.728-729
発行日 1987年9月10日
Published Date 1987/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106599
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遺伝相談とは遺伝病にかかわる問題をもつ来談者に,彼らが妥当な結婚や出産,中絶などの正しい判断ができるように的確な遺伝学的情報を授け,問題の本質を理解させることである.遺伝相談の中心は危険率の推定ではあるが,危険率のみでは家族は正しい決心がつきにくい.そこで問題の疾病の病像や予後,本人および家族のこうむる肉体的・精神的苦痛,経済的負担などについても説明すべきであろう.さらに遺伝相談は単なる遺伝情報の伝達に終ってはならない.あくまでも遺伝病医療の一環として位置づけることが大切である.また他の医療と異なり,来談者や発端者のみでなく家系全員に責任をもつべきで,家系内の他の患者やハイリスク夫婦などにも助言を与える必要がある.相談内容の秘密保持に努めるなどは自明の理である.
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