巻頭言
リハビリテーションにおける電気診断学
木村 彰男
1
1慶応義塾月が瀬リハビリテーションセンター
pp.411
発行日 1987年6月10日
Published Date 1987/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106523
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リハビリテーション医学(以下リハ医学)が従来の医学と異なり,さまざまな能力障害,ハンディキャップなどに対する障害学を中心に成り立っていることは医療従事者の間では今や常識となっている.実際,第一線のリハ専門病院で働いている場合,診断から治療へと結びつく一連のプロセスが省略され,既に診断のついた障害に対する治療を行うことが殆どである.それではリハ医学においては診断学は必要ないのであろうか?答は勿論Noである.正しい診断が下されないままリハ科へ送られてくる患者もしばしばあり,更にはリハ治療中に各種合併症が起こりそれらに診断を下し適切な治療を行うことも,リハ医にたびたび求められることである.
一方,近年の社会的要求の増加,医療の進歩に伴いリハ医学の扱う範囲も心臓病,悪性腫瘍など多岐にわたるようになってきている.しかしながら現在も神経筋疾患がリハ医学の重要な一分野を占めていることは,誰もが認めるところである.これらの観点からリハ医が特に神経疾患の診断・治療に精通する必要があることは異論のないところであろう.
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