呼と循ゼミナール
電気除細動の電気エネルギー
高木 誠
1
1京都市立病院内科循環器
pp.646
発行日 1979年6月15日
Published Date 1979/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203384
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ここでいう電気除細動とは最も急を要する心室細動の電気除細動の意味である。電気除細動に必要なエネルギーを論じるとき,従来用いられているstored energyと,近年は50オームの抵抗のもとで放電するときのdelivered energyの両者が用いられることがあるが,ここでは原則としてすべて従来の慣習に従ってstored energyで論じることとする。
虚血性心疾患の突然死の90%以上が突然発生する心室細動といわれ,その除細動は救命救急のうちでも最も重要なものであり,ことに心室細動発生後約4分で脳が不可逆性の障害を受けるために,除細動は文字通り一刻を争い,できる限り速かに実施されねばならない.そのためにも,できれば最初の一撃で除細動を成功させる目的で心室細動の除細動では初回から最大エネルギーである400 watt secondを用いるやり方が広く常識化し,多くのCCUでもこの考え方が通用しているし,われわれもそれに従っている。
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