Japanese
English
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
精神衛生センターについて若干の説明をしたい.と言うのは,精神科に関係している人であっても,精神衛生センターが何をするところか,どんな役割を担い,また果たしてきたところか,知らない人も少なくなく,病院とか診療所あるいはリハビリテーション施設など程には理解して貰えていないという感じを日頃抱いているからである.かくいう私も精神衛生センターに入るまではそうであった.
精神衛生法が昭和40年に改正された折に,保健所が地域精神衛生活動の第一線機関として定められ,保健所の精神衛生業務のうち精神障害者への対人保健サービスを,技術面からバックアップする機関として,また都道府県における精神保健に関する総合技術センターとして,精神衛生センターは精神衛生法第7条に定められている.
その結果,地域精神衛生活動は,保健所,精神衛生センター等を中心として行われている.
精神衛生センターの業務は,主として保健所に対する技術援助,保健婦や精神衛生相談員等への研修,住民の精神衛生相談,精神障害者家族会や断酒グループ等の活動への援助や育成,精神保健の知識の普及,精神保健問題についての調査研究と運営要領に定められているが,後に,デイケアを中心としたりリハビリテーション,酒害相談指導事業,心の健康づくり推進事業が加わった.
そうしたことから,保健所の精神衛生活動や社会復帰促進事業,市町村の精神衛生活動には,多くの精神衛生センターが密接に関与してきたし,また,職親制度や通院患者リハビリテーション事業には,病院関係の人たちが関与してきたところもあるが,精神衛生センターもその実現に少なからず寄与してきた.作業所も家族会が運営しているところが多いが,その設立に際して協力した精神衛生センターは少なくない.
Copyright © 1987, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.