Japanese
English
特集 精神障害者のリハビリテーション
精神病院の現状と問題点
The Role of Mental Hospitals in Psychiatric Rehabilitation.
飯島 壽佐美
1
Susami Iijima
1
1秋田県総合リハビリテーション・精神医療センター開設準備事務局(秋田県福祉保健部)
1Department of Welfare and Health, Akita Prefectural Government
キーワード:
精神科リハビリテーション
,
社会復帰
,
精神病院
Keyword:
精神科リハビリテーション
,
社会復帰
,
精神病院
pp.623-628
発行日 1996年7月10日
Published Date 1996/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108145
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はじめに
平成7年5月に精神保健法が精神保健福祉法に改正されたが,それに先行して同5年12月に障害者基本法,同6年7月には地域保健法が成立している.昭和63年に,精神衛生法が精神保健法に改正されて以来,その推進が叫ばれてきた精神障害者のリハビリテーションを飛躍的に発展させるための基盤が築かれつつある.
しかし,条件が整えば退院可能な入院患者が約22%もいるという昭和58年の精神衛生実態調査から10年以上経過した現在においても,その多くの人達がいまだに精神病院に残っており,精神障害者のリハビリテーションを考えるにおいて,大きな部分が精神病院に関わる問題であるといえる.本稿では,日本の精神病院について,その現状と精神科リハビリテーションにおける役割と問題点などについて述べたい.
ただし,現在およびこれからの日本が担う精神障害者リハビリテーションの対象は,痴呆患者を含む精神障害者であり,痴呆患者が精神科医療の対象のなかで占める比率は確実に上昇してきていると思われる.しかし,本特集の主たる関心の対象ではないと思われるし,紙数の関係で痴呆患者に関しては触れていないことをお断りしておく.
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