Japanese
English
特集 精神科リハビリテーション
診療を行うデイケア単独施設の立場から
Rehabilitation of Schizophrenics from a View Point of Day Care Center.
坂口 信貴
1
Nobuki Sakaguchi
1
1北九州市立デイ・ケアーセンター
1Department of Day Care Center, Public Health Services, Kita-Kyushu City.
キーワード:
悲哀の仕事
,
精神分裂病者
,
社会復帰
Keyword:
悲哀の仕事
,
精神分裂病者
,
社会復帰
pp.347-352
発行日 1987年5月10日
Published Date 1987/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106510
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はじめに
行政の中で,医学管理を行うデイケア単独施設として,今日まで5年余りの活動を経験した.行政内部にも外部にも病者への理解を求めながら,なかなか精神障害の抱えている諸問題を共有し合えない行き詰まりに直面させられている.そのことを土台にしながら本稿では,精神科リハビリテーションについて思いつくことをまとめてみたい.
そのために,当センターのこれまでの運営方針とその実際を簡単に述べ,その結果について2~3触れることから始めたい.その後,現在センターが抱えている諸問題を整理し,今後の方針について私見を述べてみたい.
感想から先に述べれば,余りにも精神科医療と社会との距離がかけ離れているということであった.各施設がそれぞれ病者を抱え込まざるを得ない現実を改めて感じさせられる.
とはいえ,これまで病院が社会との疎通性や開放性や流動性を失っていたことの最も大きな要因は,精神医学の立ち遅れにあると言わざるを得ない.他の医学分野に比べて,精神医学には理屈や権威は備わっていても臨床における実力が乏しいことを感じさせられる.
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