Japanese
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特集 精神障害者のリハビリテーション
精神障害者リハビリテーションの基本問題
Toward further Development in Psychiatric Rehabilitation: Introduction of Review by Shepherd G.
伊勢田 堯
1
,
小川 一夫
2
,
長谷川 憲一
2
Takashi Iseda
1
,
Kazuo Ogawa
2
,
Kenich Hasegawa
2
1東京都立中部総合精神保健福祉センター
2群馬大学医学部神経精神医学教室
1Tokyo Metropolitan Chubu Center for Mental Health
2Department of Neuropsychiatry, School of Medicine, Gunma University
キーワード:
精神科リハビリテーション
,
総説
,
Shepherd G
Keyword:
精神科リハビリテーション
,
総説
,
Shepherd G
pp.607-611
発行日 1996年7月10日
Published Date 1996/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108143
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はじめに
わが国における精神科医療とリハビリテーションは,残念ながら著しい遅れをとり,最近の意欲的な改革にもかかわらず,先進諸国との格差はますます広がっていくように見える.これには,医療体制,福祉など社会的基盤の遅れが関係しているのかも知れない.それと同時に,精神障害の分野は,身体障害や知的障害への取り組みから見ても大きく立ち遅れている.
総合的に見ると,われわれ精神科専門職の取り組みが,これらの遅れに影響しているように見える.歩みは遅くても,当面する課題を一つ一つ解決していく姿勢が必要であろう.その一方で,すぐには実現できなくても将来の姿を想い描くことは,改革・発展のエネルギーを蓄積し,適切な方向を見いだすうえでも有益であろう.
そのためにも,今一度,先進国の経験・到達点から学びたいと思う.
この小論は,筆者ら3名が1988年から1993年の間に英国ケンブリッジに留学1-4)した際のスーパーバイザーであったGeoff Shepherd,PhDが著した総説「精神科リハビリテーションの最近の発展」(Recent Developments in Psychiatric Rehabilitation)6)の要旨を紹介しながら,この分野の基本的問題を整理してみたい.この総説は,彼の前回の総説5)と同様に含蓄があり,要約すると,筆者の力量では,その一部しか伝えることができない.いずれ,全訳する機会を見つけたいと願っている.
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