Japanese
English
特集 疼痛とリハビリテーション
脊髄損傷の異常疼痛
Pain in Patients with Spinal Cord Injury.
安藤 徳彦
1
Norihiko Ando
1
1神奈川県総合リハビリテーションセンター
1Kanagawaken Rehabilitation Center.
キーワード:
脊髄損傷
,
疼痛
,
幻肢痛
,
gate control theory
Keyword:
脊髄損傷
,
疼痛
,
幻肢痛
,
gate control theory
pp.179-184
発行日 1987年3月10日
Published Date 1987/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106473
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はじめに
脊髄損傷患者が疼痛を訴える頻度はかなり高いのであるが,これに関する文献は比較的少ない.本誌でも脊髄損傷に関する特集は何回も組まれているが,疼痛を扱うのは今回が始めてだと思われる.とは言っても,筆者自身もこの疼痛を正面から検討した経験はまだなく,その発生の機序も頻度もまた正しい治療法も体系的な知識を持たない.そこで今回は,幾つかの文献を渉猟した範囲でその内容を紹介させていただく.
始めに脊髄における痛覚伝導路と,gate control theoryの概要を触れる.次に脊髄損傷の異常疼痛の諸家の分類を紹介する.多数の分類方法を羅列するのみでは,混乱を招きかねないが,概念の統一はそれほど容易ではないようである.異常疼痛の発生頻度も報告者によってかなり異なる.最後に疼痛の治療方法を紹介するが,薬物にのみ頼ってしまい勝ちな疼痛に対して,細かい配慮が必要なことを読み取っていただければ幸いである.
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