Japanese
English
特集 疼痛とリハビリテーション
幻肢痛
Phantom Pain.
吉村 理
1
,
林 克二
1
,
堤 文生
1
Osamu Yoshimura
1
,
Katsuji Hayashi
1
,
Fumio Tsutsumi
1
1九州労災病院リハビリテーション診療科
1Department of Rehabilitation Medicine, Kyushu Rosai Hospital.
キーワード:
幻肢
,
幻肢痛
Keyword:
幻肢
,
幻肢痛
pp.185-191
発行日 1987年3月10日
Published Date 1987/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106475
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はじめに
四肢切断者の痛みには,断端神経腫,断端の循環障害による疼痛,断端筋肉の異常緊張による疼痛,大腿切断者の腰椎前彎増強による腰痛など多彩であるが,もっとも切断者をなやませるのは幻肢痛である.
四肢切断,関節離断により存在しない手足があるように感じる現象を幻肢(phantom limb)幻肢覚(phantom limb sensation)といい,鼻・耳・陰茎の欠損でも幻肢が存在する.この不思議な現象についての最初の記載はAmbroise Pare(1545年)であり,phantom limbという言葉をはじめて提唱したのはMitchel1)(1871年)である.
幻肢は痛みを伴うことも稀ではなく,これを幻肢痛(phantom pain)とよび,本邦においては大塚2)の一連の幻肢,幻肢痛の研究がある.
本稿では,下肢切断者への幻肢,幻肢痛のアンケート調査結果とともに文献的考察をくわえる.
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