Japanese
English
特集 神経・筋の電気生理学的検査の進歩
動作分析と表面筋電図
The Surface EMG and Movement Analysis.
佐鹿 博信
1
Hironobu Sashika
1
1湯河原厚生年金病院リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation Medicine, Yugawara Kousei-Nenkin Hospital
キーワード:
動作分析
,
表面筋電図の標準化
Keyword:
動作分析
,
表面筋電図の標準化
pp.347-355
発行日 1990年5月10日
Published Date 1990/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106264
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はじめに
動作分析に関する研究の主な目的は,①正常動作と機能障害による異常動作の類似と相違を明らかにして,障害評価を定量化し,治療効果の判定などに利用すること,②義肢や装具をコントロールするために,識別可能な自由度の大きい制御信号をえること,③正常動作と異常動作をシミュレーションし,人工の手足(ロボット)に動作を再現させること,などであると考えられる.
動作分析のための電気生理学的方法では筋電位の分析があり,(a)運動時の筋電パターン,(b)筋電位と筋収縮力との関係,(c)筋電位と筋疲労との関係などを明らかにすることが研究の目的となっている.そして,筋電位の研究では目的に適した電極を選び使用することが大切である.
表面電極は表在筋だけにしか使えないこと,近在筋からの“Cross-talk”のために小さい筋からの選択的な筋電位の検出ができないこと1),筋電位のうちの高周波成分が記録できないこと,などの欠点がある.しかし,表面電極の以下の利点はこれらの欠点を十分に補っている.
1)大部分の筋の筋電位が検出できる.
2)動作分析では筋電の活動時間と筋電位の大きさが検出できる.
3)A/Dコンバーターとコンピューターにより歩行時の表面筋電パターンの標準化(定量化)が可能となってきた.
4)バイオフィードバック訓練などで筋のリラクセーションを判定できる.
5)筋電義手などのコントロールのための筋電信号を検出できる.
6)人体に対して非侵襲的である.
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