Japanese
English
特集 動作分析
動作分析概論
Introduction to Motion Analysis.
山崎 信寿
1
Nobutoshi Yamazaki
1
1慶応義塾大学理工学部機械工学科
1Department of Mechanical Engineering, Faculty of Science and Technology, Keio University.
キーワード:
運動計測
,
床反力計
,
動作分析
Keyword:
運動計測
,
床反力計
,
動作分析
pp.225-230
発行日 1982年2月10日
Published Date 1982/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104695
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まえがき
身体運動の観察と記録は,古くは写実主義的芸術家達の探求心に始まり,その目と手に負っていたが,運動器疾患を対象とする医学分野においても,つい100年程前までは全く同様の状況にあった.
この定性的動作分析から定量的動作分析への転換は,前世紀末の写真技術の実用化と,Mareyらの先駆的研究により成し遂げられた1).またMareyは靴底圧力カプセルによる足底圧記録装置も考案し2),この時期にようやく運動学および力学に基づく定量的動作分析の基礎が築かれたのである.その後,1930年代には動作の負荷と効率に関するエネルギ的研究が始まり,さらに電子技術の進歩によって微弱な電流の増輻が可能になった1950年代以降には,動作の原因となる筋・神経活動の計測が盛んに行われるようになった.これらの生理学的動作分析は,簡便な機器の開発を得,すでに臨床応用の域にまで達しつつある.
したがって本稿では,他の機会にも詳説されているこれら生理学的動作分析を除き,主として運動および力学的動作分析手法の概説を試みる.さらに近年の動作分析の傾向が,コンピュータを中心とした動作の総合計測とデータ処理に重点がおかれているために,これら大規模システムの開発上の留意点を示す.
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