Japanese
English
研究と報告
健常高齢者の背臥位からの立ち上がり動作―動作パターンの推移について
Standing up from Supine Position on Healthily Elderly Men and Women: The transition of motion patterns.
星 文彦
1
,
盛 雅彦
2
,
内藤 義則
3
,
神山 麻生
3
,
伊藤 俊一
4
,
門司 順一
5
Fumihiko Hoshi
1
,
Masahiko Mori
2
,
Yoshinori Naito
3
,
Maki Kamiyama
3
,
Toshikazu Ito
4
,
Junichi Monji
5
1北海道大学医療技術短期大学部理学療法学科
2十勝恵愛会病院リハビリテーション科
3札幌恵北病院リハビリテーション科
4北海道大学医学部付属病院理学療法部
5国立療養所西札幌病院整形外科
1Department of Physical Therapy, College of Medical Technology, Hokkaido University
2Department of Rehabilitation Medicine, Tokachi Keiaikai Hospital
3Department of Rehabilitation Medicine, Sapporo Keihoku Hospital
4Department of Physical Therapy, Hokkaido University Hospital
5Department of Orthopedics, National Sanatorium Nishi Sapporo Hospital
キーワード:
加齢
,
立ち上がり動作
Keyword:
加齢
,
立ち上がり動作
pp.45-50
発行日 1990年1月10日
Published Date 1990/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106198
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はじめに
近年,老齢人口の増加に伴い,リハビリテーション医療の対象も高齢化している.加齢に伴う運動行動の変化を捉えることは,リハビリテーション医療のみならず老人医療,さらには高齢者の健康管理の上からも重要である.
リハビリテーション医療において,特に中枢神経疾患に対する理学療法に関しては,小児のみならず成人においても評価および治療において発達的視点から運動行動の異常を捉えることが基本概念として一般化している1~4).特に日常生活上の基本動作としての起居動作パターンに関しては小児の発達に伴う変化の標準化がなされ,それが評価および治療における基本となっている.しかしながら,加齢に伴う変化については十分明らかにされてはいない.
著者らは理学療法における重要な具体的目標の一つともなる起居動作に着目し,その動作パターンの加齢に伴う推移について調査し,同時に動作パターンの変化に影響を与える因子について若干の検討を加えた.
本研究の具体的目的は,①健康老人に見られる背臥位からの立ち上がりパターンの分類を行い,その年齢的推移を明らかにすること,②このパターン変化に関係すると考えられる歩行や椅子間歩行などの動作遂行能力,さらに肥満度や平衡機能などについて検討を加えることである.
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