Japanese
English
研究と報告
痙性麻痺をもつ児童の応用歩行訓練とその評価
An Applied Gait Training of Disabled Children with Spastic Paralysis and Its Evaluation.
赤滝 久美
1
,
三田 勝巳
1
,
宮側 敏明
1
,
石田 直章
2
,
福谷 保
3
,
福田 光重
3
,
金子 巧
3
,
夏目 玲典
3
,
小山 憲路
4
Kumi Akataki
1
,
Katsumi Mita
1
,
Toshiaki Miyagawa
1
,
Naotaka Ishida
2
,
Tamotsu Fukutani
3
,
Mitsushige Fukuda
3
,
Takumi Kaneko
3
,
Reisuke Natsume
3
,
Kenji Koyama
4
1愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所治療学部
2名古屋自由学院短期大学
3愛知県立第一青い鳥学園
4労災リハビリテーション工学センター
1Aichi Prefectural Colony
2Nagoya Jiyuu Gakuin Junior College
3Dai Ichi Aoitori Gakuen Rehabilitation Center
4Rehabilitation Engineering Center for Employment Injuries
キーワード:
痙性麻痺
,
歩行訓練
,
心拍数
,
酸素摂取量
Keyword:
痙性麻痺
,
歩行訓練
,
心拍数
,
酸素摂取量
pp.39-44
発行日 1990年1月10日
Published Date 1990/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106197
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まえがき
肢体不自由施設や養護学校では,日常生活に必要な身体活動能力を向上させるために様々な訓練を実施し,一般社会への円滑な参加と適応を目指している.中でも歩行は日常生活において基本的な動作であり,これを獲得することは自立した生活をおくるための必要条件である.
窪田5)は片麻痺を例にとり,歩行訓練プログラムとして3つの過程を提案している.すなわち,第1は歩行能力,技術の向上を目指した歩行能力向上プログラムであり,その中に前歩行,自立歩行,応用歩行訓練を含む.第2は全身持久力維持・向上プログラム,第3は歩行能力維持プログラムである,このような歩行訓練過程は,片麻痺のみならず,肢体不自由児に対しても少なからず適用しうるものと考える.
本研究は自立歩行を獲得した肢体不自由児を対象とし,様々な外部環境での応用歩行能力を獲得するための屋外歩行訓練に注目した.そして,このプログラムの有効性をエネルギー消費量に関する指標を用いて評価することにした.エネルギー消費量を示す最も良い指標は酸素摂取量である8,9).これを求めるためには呼気ガスの採集や,換気量,酸素濃度,炭酸ガス濃度の分析など複雑な手続きが必要である.一方,心拍数は酸素摂取量と相関が高く,被検者の活動を拘束することなく,長時間にわたって連続測定が容易である2,3).
そこで,本研究では心拍数を手がかりに,長期にわたる屋外歩行訓練を経時的,大局的に評価した.さらに訓練前後に実験的歩行場面を設定し,酸素摂取量の分析を行い,訓練の詳細な評価や効果をもたらす要因を検討した.
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