Japanese
English
特集 RAのリハビリテーションをめぐって
RA患者のADL
ADL of RA patient.
岡崎 健
1
,
荻田 忠厚
2
Ken Okazaki
1
,
Tadaatsu Ogita
2
1七沢リハビリテーション病院膠原病科
2七沢リハビリテーション病院呼吸器科
1Department of Collagen Disease, Nanasawa Rehabilitation Hospital
2Department of Respiratory Disease, Nanasawa Rehabilitation Hospital
キーワード:
ADL低下の原因
,
ADL訓練の実際
Keyword:
ADL低下の原因
,
ADL訓練の実際
pp.853-857
発行日 1989年11月10日
Published Date 1989/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106160
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はじめに
慢性関節リウマチ(RA)の治療は炎症・疼痛の管理を主体とする内科,機能障害を治療する整形外科とともに,機能障害,能力低下,社会的不利まで幅広く面倒をみるリハビリテーション科が重要な役割をしている.しかし,専門のリウマチ外来でも,患者が一番悩んでいるADL低下などを改善する指導はあまりなされていない,この事実は,今年度の日本リハビリテーション医学会でのRAのリハビリテーションの演題がわずか数題,リウマチ学会でも2~3題にすぎなかったことにも反映されている,したがって,RAのADLはもちろん,handicapの配慮からQuality of Life(QOL)まで考えて治療を行っている病院はほとんどないといっても過言ではない.
RAは全身病であり,炎症・疼痛を伴う管理の困難な疾患なので,リハビリテーションを行うためには全科にわたる医学的知識と,全身の骨・関節のX線所見の理解が必要であり,さらに長期にわたる関節破壊の経過がある程度わかっていることが大切である1).他の疾患と違って,RAは一部関節の機能障害の改善が,家庭でのADL改善に必ずしも結びつかないことが多い.例えば,重症RAでは起居動作が一番困難で,介助して立たせれば歩けて,その歩行距離の伸びたことが家でのトイレ動作改善に全く役立たないなど,病院での訓練が家庭での能力低下改善に役立たないこともしばしばあり,最終目標としては,個人個人の家庭環境,ニーズに合わせたADLの改善,QOLまで考慮に入れたリハビリテーションが行われる必要がある.今回はRAのADL低下の原因を考え,ADL改善の訓練方法について述べることにする.
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