Japanese
English
特集 RAのリハビリテーションをめぐって
RAの外科手術の適応と限界
The Indication and Limitation of Surgical Treatment of RA.
山本 龍二
1
,
森 雄二郎
1
Ryuji Yamamoto
1
,
Yujiro Mori
1
1昭和大学藤が丘病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Showa University Fujigaoka Hospital
キーワード:
RA手術療法の適応と限界
,
滑膜切除術
,
関節形成術
Keyword:
RA手術療法の適応と限界
,
滑膜切除術
,
関節形成術
pp.847-851
発行日 1989年11月10日
Published Date 1989/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106158
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はじめに
リウマチの外科療法は,保存的療法が限界と判断された時点で,手術により破壊された関節の進行防止や再構築を目的として行われる.
臨床的にみると,ADL上class分類の進行およびX線上stage分類が進行するにつれて,手術適応が増大するが,特に全身のリウマチの活動性が低く,一つの関節に破壊,変形などADL上大きなマイナスになる状態のある症例には最も良い手術適応となる.
手術を行うときは医師が手術的適応と判断し,これを患者にすすめると同時に,患者の希望がこれに合致することが理想で,さらに患者に病いを克服しようとする意欲のあることが必要条件である.さらにRA病変の全身のコントロールがされていることが必要で,他に重篤な合併症のある者や,全身の活動性が高い者(例えば,CRPの高値やLansbary指数100以上など),感染のある者,高度なムチランス型RA,さらに協調性に乏しい者などは手術の適応外と判断せざるを得ない.
次に手術を行うにあたりプランニングが重要で,①ゴールをどこにするか.例えば,寝たきりの患者なら車椅子程度が到達目的となろうし,車椅子の患者なら歩行可能がその到達目的となろう.②どのような術式を選択するか.滑膜切除,骨切り術,関節形成術(大部分は人工関節置換術であるが),関節固定術など,どのような術式が適応かを考え,さらに関節鏡の検査や鏡視下手術なども考慮する.
究極的には外科的治療により,ADLの向上を通じてQOL(Quality of Life)の向上につなげることが,RAを治療する側の者として常に念頭に置かねばならないことである.
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