Japanese
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特集 高次脳機能障害とADL
観念失行患者におけるADLの問題点―「実行しているADL」について
Issues of ADL in Stroke Patients Suffering from Ideational Apraxia.
原 寛美
1
,
所 小百合
2
Hiroyoshi Hara
1
,
Sayuri Tokoro
2
1相澤病院リハビリテーション科
2みなと医療生活協同組合協立総合病院
1Department of Rehabilitation Medicine, Aizawa Hospital
2Kyouritsu General Hospital
キーワード:
観念失行
,
失語症
,
ADL
Keyword:
観念失行
,
失語症
,
ADL
pp.111-119
発行日 1994年2月10日
Published Date 1994/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107545
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観念失行をめぐる問題点
左大脳半球損傷患者が,健側であるはずの左手を用いて食事をとる時,フォークやストローの使用が困難である場合に,その症状をどのように説明し,何に起因しているとするのであろうか?失語症を合併する右片麻痺患者のADLを注意深く観察すると,左手での物品使用の誤動作を示す患者に遭遇し強い印象を受けることがある.私どもの疑問はそのような患者のリハビリテーションに関わったことから生じ,観念失行のADLについて論じる機会へとつながった1-4).
従来観念失行の定義には,単数複数を問わず「日常慣用物品の使用障害」とする立場5-7)と,「複数物品の系列操作障害」とする立場8)とがある.しかし後者の場合でも単一物品の誤動作が既に存在しているとする指摘があるため前者の定義が臨床的にはより理解しやすく説得力があると考えられることを強調しておきたい.
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