Japanese
English
講座 リハビリテーションと臨床検査
4.慢性関節リウマチのリハビリテーションと臨床検査
Medical Diagnosis and Rehabilitation of Rheumatoid Arthritis.
塙 直樹
1
,
頼住 孝二
2
,
荻田 忠厚
3
Naoki Hanawa
1
,
Kouji Yorisumi
2
,
Tadaatsu Ogita
3
1七沢リハビリテーション病院膠原病科
2七沢リハビリテーション病院内科
3七沢リハビリテーション病院診療部
1Nanasawa Rehabilitation Hospital
キーワード:
臨床検査
,
リハビリテーション
,
慢性関節リウマチ
Keyword:
臨床検査
,
リハビリテーション
,
慢性関節リウマチ
pp.323-329
発行日 1993年4月10日
Published Date 1993/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107340
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はじめに
慢性関節リウマチ(RA)は関節痛を主症状とし,次第に関節破壊へと進行する難治性の疾患で,日常的な身体的苦痛のみならず生活動作にも困難をもたらすことで精神的苦痛をも伴いやすい疾患である.病因については近年の免疫学の発展にもかかわらず依然として不明のままであり,その治療も対症療法にとどまっているのが現状である.治療法についてはピラミッド型治療体系(図1)が知られているが1),消炎鎮痛や免疫能の回復を目的とする薬物療法と四肢機能の障害を防止するためのリハビリテーション療法が大きな柱となっている.しかしながらリハビリテーションの必要性が理解されていても,実際の診療場面では時間的・人的・経済的などの制約のために一般に広く取り入れられているとは言い難い.このため薬物療法に依存するあまり,機能障害への配慮が欠けていると思われる残念な症例を目にすることが少なくない.
リハビリテーション療法の対象となるRA患者はまだ機能障害の現れていない初期の患者から日常生活動作に支障をきたし介助者を必要とする晩期の患者まで全ての病期にまたがっている.高度の頸椎病変や重篤な合併症を伴う症例はリハビリテーションが禁忌となるものの,薬物療法の進歩により急性関節炎症状だけでは必ずしも禁忌とは言えなくなっているので,RAにおけるリハビリテーション療法の重要性についてさらに関心が深まることを期待している.
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