Japanese
English
短報
急性期脳卒中患者に対する座位耐性訓練の開始時期
Sitting Tolerance Exercise in the Acute Stroke Patients.
林田 来介
1,2
,
戸倉 直実
1
,
二木 立
3
Raisuke Hayashida
1,2
,
Naomi Tokura
1
,
Ryu Niki
3
1代々木病院理学診療科
2現在:東大病院リハビリテーション部
3日本福祉大学
1Department of Rehabilitation Medicine, Yoyogi Hospital.
2Central Rehabilitation Service, University of Tokyo Hospital.
3Japan University of Social Welfare.
キーワード:
脳卒中
,
早期リハビリテーション
,
座位耐性訓練
Keyword:
脳卒中
,
早期リハビリテーション
,
座位耐性訓練
pp.127-129
発行日 1989年2月10日
Published Date 1989/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106006
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はじめに
脳卒中患者に対する座位耐性訓練の開始時期の定説はないが,内科・神経内科等では,脳出血で発症2~3週後,脳梗塞で2~3日後とされることが多い.しかし,脳出血患者の中にも発症直後から意識障害が軽度で全身状態が安定している患者が少なくなく,脳出血であるだけで遅らせる必要があるかどうかは疑問である.
そのため,当院では,表1に示したように脳卒中患者に対する座位耐性訓練の基準を定め,病型ではなく,障害の程度に基づいて開始時期を判断してきた.また,訓練は理学療法士ではなく,普段患者の状態を把握している看護婦が行い,基本的に主治医が絶対安静の指示をしない限り,基準に従って看護婦が自主的に開始している.
この基準に基づいて座位耐性訓練を行った結果,理学療法を施行した患者の8割は発症(入院)後1週間以内に座位耐性訓練または起立歩行訓練を開始できること,しかも上記基準に従って早期から段階的に座位耐性訓練を行えば重篤な起立性低血圧等はほとんど生じないことが明らかになったので報告する.
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