筋力テストと筋萎縮の評価

Evaluation of Muscle Strength and Muscle Atrophy.

はじめに

　筋力や筋萎縮の評価は，リハビリテーション医学の分野で最も頻繁に用いられる臨床検査のひとつである．この評価の結果は，神経筋疾患や廃用症候群を診断する際の補助的手段として用いられたり，筋力低下の有無やその程度を明らかにして，筋力強化訓練の処方や，能力的障害や社会的不利に対する治療計画を立てたり，その効果判定の重要な資料として用いられる．

　リハビリ医としてこれらの評価法は最も基本的な手技であり周知の内容であるが，これからリハビリ専門医を目指す医師を対象に，臨床的に重要と思われる幾つかの項目を中心に概要を述べることにする．