Japanese
English
症例報告
人工呼吸器に依存する頸髄損傷のリハビリテーションの実際―長期間安全に家庭復帰するために
Long-term Home Rehabltitation in Respiratory Quadriplegia.
園田 英器
1
,
川口 英治
2
,
坂本 公宣
2
,
東野 通志
2
,
赤崎 幸二
2
,
伊勢 紘平
2
,
広田 耕三
2
,
松枝 康弘
3
,
中野 哲雄
4
Hideki Sonoda
1
,
Eiji Kawaguchi
2
,
Kiminori Sakamoto
2
,
Michisi Tsukano
2
,
Kohji Akasaki
2
,
Kohei Ise
2
,
Kohzo Hirota
2
,
Yasuhiro Matsueda
3
,
Tetsuo Nakano
4
1熊本市民病院理学診療科
2熊本市民病院整形外科
3自衛隊熊本地区病院整形外科
4玉名中央病院整形外科
1Rehabilitation Medicine, Kumamoto Municipal Hospital.
2Orthopaedic Surgery, Kumamoto Municipal Hospital.
3Orthopaedic Surgery, GSDF Kumamoto District Hospital.
4Orthopaedic Surgery, Tamana Central Hospital.
キーワード:
長期呼吸管理
,
頸髄損傷
,
家庭復帰
Keyword:
長期呼吸管理
,
頸髄損傷
,
家庭復帰
pp.121-126
発行日 1989年2月10日
Published Date 1989/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106005
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はじめに
呼吸麻痺を伴う高位頸髄損傷は致命的で死亡に至る症例が多かったが,近年救急医療の普及に伴い,人工呼吸を受け救命される症例が多くなった.しかしながら救命されながらも壁からのホースで係留され,四肢麻痺という準植物人間の様相をさらに強調させてしまう傾向が多い.
われわれは受傷後6年間人工呼吸を受けながらも,他の四肢麻痺例に劣らぬ移動性をもった症例の家庭復帰に成功してい.またアメリカの人工呼吸を受けている患者のリハビリテーションを見学する機会を得たので,その経験を生かして安全に社会復帰させる実際について紹介する.
われわれの症例はアメリカのそれに匹敵する程,幸運で楽しい家庭生活を送っている.わが国でも古くからこのような症例のリハビリテーション2,3,5)が叫ばれているが未だに症例数が少ない.
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