Japanese
English
調査
老人保健施設入所患者が家庭復帰可能となる要因とその対策
Prerequisites for Discharge to the Home from the Health Institution for the Age.
佐々木 和人
1
,
鈴木 英二
2
,
田所 雄二
3
,
重原 恵美子
3
,
松井 博行
3
,
渡辺 彰
1
,
米田 光宏
1
,
荻野 雅史
1
,
坂西 健樹
1
Kazuhito Sasaki
1
,
Eiji Suzuki
2
,
Yuji Tadokoro
3
,
Emiko Shigehara
3
,
Hiroyuki Matsui
3
,
Akira Watanabe
1
,
Mitsuhiro Yoneda
1
,
Masahumi Ogino
1
,
Takeki Sakanishi
1
1ナトメック七里病院リハビリテーション科
2埼玉医科大学リハビリテーション科
3老人保健施設和光園
1Department of Rehabilitation, NAHTMEC Nanasato Hospital
2Department of Rehabilitation, Saitama Medical School
3Wakouen Health Institution for the Age
キーワード:
家庭復帰
,
老人保健施設
,
家族
Keyword:
家庭復帰
,
老人保健施設
,
家族
pp.465-471
発行日 1997年5月10日
Published Date 1997/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108380
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はじめに
老人保健施設は,病状安定期にあり,入院治療の必要がない寝たきり老人等に対して,治療ケア,日常サービスを提供し,家庭復帰を目的とする施設である.施設基準では,入所者100名に対して1名の理学療法士または作業療法士の勤務が義務づけられている.しかし,訓練方法は一定ではなく,施設の目的とする家庭復帰に寄与できているかは疑問である.また,家庭復帰の要因については,日常生活動作(以下,ADL)や介護者の属性に関する報告が多いが,その他の要因の有無,要因の占める比重について検討した報告は少ない.
今回調査した老人保健施設和光園は,一般棟50床,痴呆棟50床があり,常勤作業療法士1名と非常勤理学療法士2名が勤務している.訓練の内容として特徴的なことは,入所者の「できるADL」を介護福祉士等に指導し,施設内の日常の動作として実施する方法(例えば,入所者の最大移動能力が監視歩行なら,食事の際,食堂まで介護福祉士が監視下で誘導を行い,実際の生活の場でのADL訓練とする1))をとっていることと,常勤医療ソーシャル・ワーカー3名により社会的側面の相談を重視し,家庭復帰を目指していることである.
同じ症例でも,スタッフの構成や考え方で家庭復帰の可能性が変わることが報告されているが2),共通した方向性が見いだせると考えている.われわれは,円滑な家庭復帰が可能となる老人保健施設における包括的プログラムを作製することを目的とし,老人保健施設入所の効果と家庭復帰にかかわる要因について,以下の2つの調査をしたので報告する.
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