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実践講座 家族教育 2
家庭復帰が難渋する脳卒中例への家族教育
Family education of a stroke patient who has a difficulty in returning home from a hospital.
影近 謙治
1
Kenji Kagechika
1
1市立砺波総合病院総合リハビリテーションセンター
1Rehabilitation Center, Tonami General Hospital
キーワード:
家族教育
,
在宅介護
,
家族関係
,
家庭復帰
,
障害受容
Keyword:
家族教育
,
在宅介護
,
家族関係
,
家庭復帰
,
障害受容
pp.153-158
発行日 2005年2月10日
Published Date 2005/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100044
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はじめに
脳卒中になった患者は一日でも早く回復して自宅へ帰りたいと願う反面,病気や今後の生活に対する不安を抱きながら日々リハビリテーションに励んでいる.しかし,患者自身の思いとは異なり,家族が希望する退院先が自宅以外の場所であることがある.重度の麻痺となり介助を要する患者を病室のベッド上で見た家族は,自宅で介護することに大きな不安と戸惑いを感じると同時に,患者に対する愛情との間で葛藤が生じる.そこで患者に関わる医療スタッフは,具体的な退院後の在宅での生活イメージをもてるように家族指導する必要がある.疾患および障害に対して十分理解してもらい,在宅復帰に際して立ちはだかる問題は何なのか,いかに解決したらよいか,解決できない問題は何かを明確にしていくことが大切である.さらに家族のみならず患者の介護に関与する病院スタッフ,地域の関連職種との連携を密にして,社会受容も平行して進めていくことが,患者を元の生活の場へハッピーランディングさせる有効な手段であると思う.
市立砺波総合病院(以下,当院)では,急性期病院として近隣病院や施設との病診連携で入院期間の短縮化と在宅復帰率の向上をいかに両立させるかということが大きな問題となっている.そこで,この問題に対する当院の回復期リハビリテーション病棟での「家庭復帰が難渋する脳卒中患者」に対する取り組みを紹介する.
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