Japanese
English
研究と報告
ラットの運動能力別筋線維タイプの検索と運動訓練効果
A Relation between Physical Capacity and Transformation of Muscle Fiber Types and the Effect of Training on the Rat.
染矢 富士子
1
,
立野 勝彦
2
,
灰田 信英
2
Fujiko Someya
1
,
Katsuhiko Tachino
2
,
Nobuei Haida
2
1石川整肢学園
2金沢大学医療技術短期大学部
1Ishikawa Physically Handicapped Children's Hospital.
2School of Allied Medical Professions, Kanazawa University.
キーワード:
運動訓練
,
筋線維タイプ
Keyword:
運動訓練
,
筋線維タイプ
pp.211-215
発行日 1988年3月10日
Published Date 1988/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105789
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はじめに
運動選手の筋生検を行い組織化学的に検索すると,その運動種目によってタイプ別筋線維の構成比率が異なることが知られている1~3).特に外側広筋の遅筋線維(タイプⅠ線維)の割合は,短距離選手で低く,長距離,水泳選手で高いことが報告されている1).一方,成人に種々の運動訓練を行わせ筋線維タイプが変換するかどうかも検索されてきたが4~9),訓練内容がまちまちであるため結果は定まっていない.これらの中でJanssonら7)の方法は訓練を質的に分けて施行させており,好気的訓練でタイプⅡc線維からタイプⅠ線維への変換がおこり,嫌気的訓練でその逆がおこることを示した.しかし,運動訓練を行っても筋線維タイプの変換がみられないという報告4,5,8)もあり,訓練内容の検討が必要であると思われる.
動物実験の分野では,筋線維タイプが出生時にほとんどタイプⅡc線維であり,成長とともに筋線維タイプの変換がすすんでいくことがわかっている10~14).この分化の途中で動物に運動負荷を加えることによっても,筋線維タイプの変換の結果が運動内容により異なり,様々な反応を示している10,15~17).
いずれにせよ,運動負荷が筋線維タイプの変換に影響を与えていることが考えられ,運動選手の筋線維タイプの比率の違いには更に成長期の外的要因が加わっていると予想される.しかし,純粋にこの外的な訓練効果だけで構成筋線維の変換の度合が決定されるのかどうかは確かめられていない.
そこで,本研究では幼若ラットに運動訓練を行わせ,その運動能力別に筋線維タイプの比率を検討し,訓練をしなかった群と比較した.
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