Japanese
English
研究と報告
ラット後肢筋の老年性萎縮に対する運動負荷効果に関する研究
Effect of Exercise on Age-related Muscle Atrophy in Rat Hindlimb Muscles.
灰田 信英
1
,
立野 勝彦
1
,
山崎 俊明
1
Nobuhide Haida
1
,
Katsuhiko Tachino
1
,
Toshiaki Yamazaki
1
1金沢大学医療技術短期大学部
1School of Allied Medical Professions, Kanazawa University
キーワード:
加齢
,
筋萎縮
,
組織化学
,
生化学
Keyword:
加齢
,
筋萎縮
,
組織化学
,
生化学
pp.849-853
発行日 1994年10月10日
Published Date 1994/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107710
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はじめに
老化に伴う骨格筋の形態,機能等の変化については,これまで広汎な研究が行われてきた.ヒトおよび囓歯動物では,老化の初期より運動終板は,神経原性の変化を主体とした種々の構造変化を示すことが知られている1,2).またそれと平行して筋線維は萎縮し,そしてその数を減少させるといわれている3,4).この筋線維の萎縮と減数は,速筋線維に選択的に発生するという意見5)と,遅筋と速筋の両者いずれにも生起するという意見6)に二分され,確定していない現状である.一方この時期,前シナプス要素である脊髄の支配運動ニューロンには形態的,機能的に退行性変化は認められないとされている7).
このように,老化初期にみられる筋線維の萎縮は,神経系の因子によるものではなく,末梢の筋組織自体の退行性変化の結果と推測される.であるならば,老化初期より運動負荷を加えることにより筋に発生する萎縮を予防できる可能性がある.そこで本研究では,老化初期のラットの後肢筋を用いて,これの筋萎縮は遅筋線維と速筋線維のいずれにより著しく発現するのか検索した.また,運動負荷を加えることにより,萎縮を軽減もしくは予防が可能であるか否かについて,組織化学的および生化学的に検討した.
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