Japanese
English
特集 リハビリテーション医学の基礎研究―神経・筋系
31P-MRSによるヒト骨格筋エネルギー代謝の研究
Energy Metabolism in Human Skeletal Muscle observed by 31P-MRS.
大仲 功一
1
,
矢野 登志雄
2
,
荻野 孝史
3
,
山口 明
1
Koichi Ohnaka
1
,
Toshio Yano
2
,
Takashi Ogino
3
,
Akira Yamaguchi
1
1国立精神・神経センター武蔵病院理学診療科
2国立精神・神経センター武蔵病院MR室
3国立精神・神経センター神経研究所診断研究部
1Department of Rehabilitation, National Center Hospital for Mental, Nervous, and Muscular Disorders, NCNP
2National Center Hospital for Mental, Nervous, and Muscular Disorders, NCNP
3Division of Biochemistry and Cell Biology, National Institute of Neuroscience, NCNP
キーワード:
NMR
,
筋肉
,
筋線維タイプ
,
in vivo
,
運動負荷
Keyword:
NMR
,
筋肉
,
筋線維タイプ
,
in vivo
,
運動負荷
pp.129-135
発行日 1996年2月10日
Published Date 1996/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108040
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はじめに
NMR(nuclear magnetic resonance,核磁気共鳴)現象は1940年代に発見され1,2),主に試料の化学分析法として発展してきたが,生きたまま(in vivo)の人体への応用の歴史は比較的浅い.その一つの流れは,1970年代に基本技術が開発され,1980年代後半から急速に普及したMRI(magnetic resonance imaging,磁気共鳴画像法)であり,そしてもう一つの流れがMRS(magnetic resonance spectroscopy,磁気共鳴分光法)である.MRSはNMR spectroscopyとも称され,分析の対象となる原子の核種を冠して31P-MRS(31P-NMR),1H-MRS(1H-NMR)などと表記される.人体のin vivo MRSが報告されるようになったのは1980年代に入ってからであり,骨格筋の31P-MRSの研究が他に先行した3,4).MRSはMRIのように一般臨床には普及していないが,生理学的研究や臨床応用の試みは着々と進められている5).
本稿では31P-MRSによるヒト骨格筋エネルギー代謝の研究の基本事項と測定方法について,自験データも交えて解説する.
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