Japanese
English
講座 物理療法(5)
拘縮に対する物理療法
Physical Therapy for the Contracture.
青木 治人
1
,
米本 恭三
1
Haruhito Aoki
1
,
Kyozo Yonemoto
1
1東京慈恵会医科大学リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation Medicine, The Jikei University School of Medicine.
キーワード:
拘縮
,
物理療法
,
温熱療法
Keyword:
拘縮
,
物理療法
,
温熱療法
pp.381-385
発行日 1986年5月10日
Published Date 1986/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105598
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はじめに
関節の運動制限は,拘縮(contracture)と強直(ankylosis)に分類されるのが古くより用いられている.
拘縮とは,関節構成体以外の軟部組織,たとえば,腱,筋肉,皮膚などの原因により,関節の可動性が制限された状態をいい,これに対して,骨,軟骨などの病変による運動域の制限を強直というのが,一般的に用いられている定義である1~3).
しかし,運動制限の原因となる各組織の変化は,それぞれ別個に存在することはまれであり,たとえば関節を同一肢位に固定した場合の拘縮も,初期は軟部組織の変化によるものが主であるが,時間の経過により,骨,軟骨にまで退行性変化をおこしてくることは当然である.したがって,臨床的に関節可動域制限を表現する場合には,硬着(stiffiness)とすることの方が多い.
しかし,可動域制限に対するリハビリテーションをおこなう場合には,言葉の定義による分類とは別に,その制限が,保存的療法(伸張術など)により,改善するものであるかどうか,その関節の病態変化を正しく評価することはきわめて重要である.
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