Japanese
English
紹介
環境制御装置用シミュレータ(模擬操作装置)の開発と臨床評価
A Portable Simulator for the Environmental Control System.
奥 英久
1
,
相良 二朗
1
,
南 久雄
1
,
中村 春基
2
Hidehisa Oku
1
,
Jiro Sagara
1
,
Hisao Minami
1
,
Haruki Nakamura
2
1兵庫県リハビリテーションセンター
2国立療養所近畿中央病院附属リハビリテーション学院
1Hyogo Rehabilitation Center.
2Kinki National Central Hospital, School of Rehabilitation.
キーワード:
環境制御装置
,
シミュレーション
,
マイクロコンピュータ
Keyword:
環境制御装置
,
シミュレーション
,
マイクロコンピュータ
pp.451-456
発行日 1985年6月10日
Published Date 1985/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105399
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はじめに
環境制御装置(Environmental Control System:ECS)は,1960年代当初に英国で開発されたのを初めとして,現在では欧米を中心に数十機種が市販されている.一方,わが国においては,1970年代後半からECSの研究開発が本格的に開始され,1980年代に入り数機種が実用化され普及しつつある.しかし,その過程においていくつかの問題点が明らかにされている.これらは,①ECSと周辺機器との接続に関する技術的問題点,②ECSを処方する医療スタッフおよびECSを使用する対象者に関する臨床的問題点,ならびに③在宅使用に起因する保守などの問題点である1).この中でも臨床的問題点は,医療スタッフと使用対象者のECSの理解という,リハビリテーションの現場における重大な要素を含んでおり,早期の対応が望まれている.この問題解決の方法としては,実際にECSと各種の周辺機器を設置したモデル・ルームによる評価・訓練が効果的と考えられるが,既存の施設での設置はスペースや価格の面で困難であり,また出向いてこのようなサービスを受けることが困難な在宅重度障害者にとっては有効とは言えない.
そこで著者らは,この問題解決の一手段として,ECSの模擬操作とセンサーの操作訓練を行う可搬式の模擬操作システム(シミュレータ)が有効と考え,その開発を行った2).本稿では,開発したシミュレータの構成と,臨床評価結果について報告する.
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