Japanese
English
講座 リハビリテーション医に必要な全身管理(6)
泌尿器合併症
Urological Complication.
森田 能子
1
Yoshiko Morita
1
1川崎医科大学附属病院リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation, Kawasaki Medical School.
キーワード:
泌尿器検査
,
排尿動態
,
神経因性膀胱
Keyword:
泌尿器検査
,
排尿動態
,
神経因性膀胱
pp.457-464
発行日 1985年6月10日
Published Date 1985/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105400
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はじめに
泌尿器合併症は,リハビリテーション患者の多くに,大なり小なりみられるものである.リハ医は単にスクリーニングするだけでなく,脳卒中や脊髄損傷など個々の原疾患について合併しやすい泌尿器疾患が何であるかを熟知して鑑別診断のため次の検査へと進めていくことが望ましい.また,発熱や悪寒などで急性発症する尿路感染症の中に慢性に進行している異常がベースにあって,その時初めて異常に気付くことが時にあり,定期的な検査を怠ってはならないと痛感させられる.そして期に即して対処することで,合併症の発現頻度を少なくしたり,症状の増悪を防ぐことが可能となる.
しかし,ともすれば泌尿器科医に任せっきりになりがちなのが現状である.それでは1人の患者の管理を専門科別にバラバラに切り離してしまうことになり,全体的な管理はうまくいかなくなる.そのためにも,リハ医はもっと積極的に泌尿器疾患に取り組んでいくべきであって,特に排尿障害(尿閉,尿失禁)や神経因性膀胱といった分野は,社会復帰をすすめる上で今後さらに医学的のみならず社会的問題の解決も期待されている.実際の臨床も少しまじえて泌尿器合併症についてまとめた.
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